文化の達人から聞く、小坂の魅力。
暮らしに伝承された文化を知ることでふるさとへの誇りを感じてもらえたら

(1)視覚障害者の方のために、広報誌の朗読を

20年ほど前になりますか、子どもが皆巣立っていき、商売からも離れたときに、何か自分にも社会貢献ができないかと考えたんです。そんな頃に新聞記事で、障害者の方のためにいろんな本を読んだり、広報誌の内容を録音してお届けする「朗読ボランティア」という活動があることを知ったんですね。これなら家にいながらでもできると思い、高山にそうした活動をしている会があると聞いて、入れていただいたんです。
その会の方のアドバイスで、NHKの通信講座で朗読の勉強をして、1年くらいしてから、自分で勝手に広報誌を録音してみたんですよ。それで社会福祉協議会に「視覚障害者の方に聞いてもらえませんか」とお渡ししたのが最初。平成2年の4月号でした。それからずっと毎月毎月、広報誌を録音してお届けする活動を5年間、一人で続けました。

けれども、「こういう活動は仲間がいた方がいいなぁ」と思い、社会福祉協議会に「朗読勉強会を開催したいのですけれども、誰か先生を呼んでもらえませんか」とお願いしたのですが、予算がないので駄目だと言われたんです。
そんなとき、テレビで時々拝見するアナウンサーの川島三栄子さんが「朗読ボランティアをやっている」という新聞記事を読んだんです。それで「この方に教えていただきたい!」と思って、記事が掲載されていた新聞社に電話をして、「一度お話をしたいとお伝えいただけませんか」とお願いをしたんですね。すると後日連絡があり、川島先生の連絡先を教えていただけたんです。早速電話して、「実は仲間集めのために勉強会を始めたいんです。ぜひ先生にお越しいただきたいのですが、お金がないんです」と、ずうずうしいお願いをしたところ、「いいですよ。交通費だけいただければ」と言っていただけて。それで社会福祉協議会に連絡をしたら「それなら下呂、萩原にも伝えてみます」ということになって、30人ほどが集まったんですね。それで10回くらい講座を開催していただき、今の「糸でんわの会」の仲間ができたというわけです。
私、今でもずっと、このときの新聞記事の切り抜きを持っているんですよ。

(2)気持ちを掘り下げる、ドラマチック・リーディング

 最初の目的は、「広報誌の内容をちゃんと伝える」ための技術を勉強したかったんですけれども、そのうちに小さいお子さんのいる若いお母さんが参加してくださるようになって、その方が学校から「生徒に読み聞かせをしてもらえないか」と頼まれて行くようになったんですね。そこで、「だったら私たちも行こうよ!」ということになって、校長先生にお願いして、月に一度、小坂小学校に読み聞かせに行くようになったんです。そのうち「ぜひ湯屋小学校でも」ということになって、校下のお母さん方も会に入ってもらい、一生懸命勉強してもらっています。

それが発展して、「一学期の終わりに全校を対象に読み聞かせをやってもらいたい」ということになって、プロジェクターを使って絵本を大写しにして、音楽も入れながら、読み手も3~4人くらいで、キャストを決めて演るようになったんです。まるでお芝居みたいな感じで。
楽しいですよ。淡々と読んでいても面白くないんですけれども、役になりきると、その人物の気持ちが分かってくるしね。いや逆に、気持ちが分かってくるから、その役になりきれるのかな…。いずれにしても、出てくる動物とか登場人物の「このセリフは、どういう気持ちから言ったのか」というところまで、深い気持ちまで分かってくると、すごく楽しいんですよ。

(3)豊かな文化を知ることで、ふるさとへの誇りを感じてほしい

「糸でんわの会」は、今では荒井順子さんが代表となって活動しています。
メンバーは21人。いろいろな年代がいて面白いですね。まだ赤ちゃんを連れた20代の方から85歳を超えた方まで。新しく入会された方は、少し勉強会で学んで、そのあと保育園に(読み聞かせに)行ってもらったりね。
会員のみなさんは、すごく本が好きで、関心を持っていらっしゃいますね。そのせいか、会員のお子さんもみんな本が大好きで、よく読んでいて、感想文を書かせても、どこかひと味違うんですよね。
中学校でも「1学期に1回、国語の時間に来て下さい」という話をいただいたんですが…なかなか難しいんですよ、伝えることって。まだまだ勉強しないとねぇ。

「糸でんわの会」では、小坂に伝わる昔話を紙芝居にして上演する活動も行なっています。小坂には、古くから語り継がれてきた伝説や昔話がたくさんあります。それらの話を「小坂昔ばなし編集委員会」がまとめた「小坂の昔はなし」という本があって、紙芝居は、そこから採り上げた話を飛騨弁に変えて編集しなおしています。そういった活動を通じて、小坂に暮らす人たちに、もっとふるさとの豊かな文化を知ってもらい、ふるさとへの愛情と誇りを感じてもらえたらなぁと思うんですよね。

前に戻る
  • 2010年小坂の味コンテスト レシピ着
  • ようこそ小坂へ
  • 達人と小坂を楽しむ 体験プログラムイベントカレンダー
  • 小坂の滝めぐり
  • NPO法人 飛騨小坂200滝
  • 飲める温泉 ひめしゃがの湯
  • ウッディランド 飛騨小坂ふれあいの森
  • 飛騨頂上御嶽山 五の池小屋
上にもどる