文化の達人から聞く、小坂の魅力。
日本で唯一の貴重な建造物、飛騨小坂駅を後世に残したい。 田立 泰彦さん
みんなの力で、飛騨小坂駅を国の登録有形文化財に

 2011年4月1日、ついに飛騨小坂駅も駅員のいない無人駅となってしまいました。時代の流れとはいえ、さみしい限りです。
外観は山小屋風の杉丸太づくり。内部の腰壁板張りは釿(ちょうな)けずりを模した手の込んだ細工。天井の四隅にはめ込まれた白樺は今でも損傷なく役目を果たしているし、白樺の額縁に収まった右書きの駅名板も開業当時のまま。乗降客のための地下道の設置も、高山線では飛騨小坂駅と、他には高山駅との2つのみ。ホームにある待合室も本屋と同じ杉丸太造り。御嶽登山口のある材木の町ということからこうした設計になったと考えられ、建設当時から大変な話題となりました。

 小坂駅は1933年の開業ですから、2013年には80歳ですよ。立派なもんです。まぁ、補修工事は時々やりますけど、使われている木などは当時のまま、簡単には傷まないし、コンクリートなんかより木の方が、部分的に修復できるという強みがあります。
現在、JRと私鉄を含めて、日本全国にある駅舎はざっと9,000。しかし飛騨小坂駅のような形態はもう、日本で唯一。これは声を大にして言いますが、どこを探してもふたつとありません。それだけ価値が高い建造物なのです。

 この貴重な建物を残すべく、国の登録有形文化財として指定されるよう、関係機関に働きかけようと思っています。法に基づき国の機関にきちんと認定してもらえば、わざわざ遠くから訪ねてきてくれる人も増えるんじゃないか、この駅舎の価値をもっと広く世の中に知ってもらえるんじゃないか、私はそう思うんですね。

 いずれにしても、私一人で考えていてもしょうがない。まずは地元の皆さんに、身近にこのような遺産があるということを知っていただきたい。あまりにも見慣れていて、ついその良さを見過ごしてしまっているかもしれないから。
現在、「飛騨小坂駅友の会」を設立し、有形文化財に登録してもらうための署名活動もしました。そういう行動を起こすだけでも、皆が関心を持ってくれるんじゃないかと。まずは、地元の皆さんを巻き込むことから始めていこうと思っています。

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