文化の達人から聞く、小坂の魅力。
400年もの歴史をもつ静かな湯治場、
湯谷温泉へ心をほぐしに来てください。 奥田省二さん
スローライフの旅スタイル「湯治」のすすめ

 湯屋温泉は、昔から「飲める温泉」ということが売りもの。温泉水を直接からだの中に入れる訳ですから、浸かるより、はるかに効きますよね。特に消化器系に良いと言われています。
もうひとつの特徴は「炭酸含有量が多い」ということ。炭酸泉のお湯に浸かることは、高血圧に良いといわれています。

 湯屋温泉のなかでも、当「奥田屋」は最も古い宿。代も重ねて現在は28代目という老舗です。
 当宿には、家宝として代々受け継がれている古文書があります。万治4年に書かれたといいますから、今から360年くらい前、水戸黄門が生きていたころですね。
 こういう文書を「湯文(ふぶみ)」と言いますが、当時は文字を書ける人は少なく、どうしても伝達の手段は言葉が主になってしまいますが、ここに湯治に来られる人たちのために、「こういう病気に効きますよ」とか、「このようにして飲んでください」ということを書いて残したんでしょうね。ここに書かれていることは、現代でも十分通用します。当時、よほど深く研究されていた学者のような方が書かれたんだと思います。

 関東、東北、九州では、昔ながらの「湯治」という習慣が色濃く残っていますが、名古屋を中心にした中部圏では、「湯治」なんていう言葉は忘れ去られてしまったんじゃないんですかね。なおかつ、湯治のために長期滞在されるお客様は、ずっと少なくなってしまいました。
 「スローライフ」という概念が浸透してきた昨今、ゆっくりのんびりと、身体だけでなく心もほぐす「湯治」という旅のスタイルこそ、いま一度見直されてもいいのではないかと思うんですよね。

 本質的な意味で観光というのは、その場所の「“光”を観にいく」こと。そこに本当に人を惹きつける“光”があったら、どんなに不便でも、人は行きたくなるんですよね。
 観光地としての小坂の将来も、この土地が持っている魅力をどこまで掘り起こし、伝えることができるかにかかっている。それがどれだけの人を惹きつけられるかによって、そこに行く交通手段がどうであれ、来る人は来てくれるんですから。

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