文化の達人から聞く、小坂の魅力。
小坂の四季と人に魅せられて、
この地でステンドグラス作りをしています。 高瀬 孝造さん
小坂の風土と出会って生まれた“和風”ステンドグラス

 ステンドグラスに出会ったのは、今からもう25年くらい前になるかな。名古屋で展示販売してるのを見に行って、作家さんに根掘り葉掘り聞いたの、「どうやって作るんですか?」とか。そしたらいろいろ教えてくれて、話を聞きながら、その工程をずっと頭の中でイメージして、「これ、できるわ」と思って。
 それですぐに、名古屋にあるステンドグラスの問屋に行って、初心者用の道具を全部揃えて、家でやってみたんだけど、ガラスが切れないの。割れてしまうの。やっぱ最初は教えてもらわないといかんと思って、教室に1年くらい通ってから、自分で作っては売るということを始めたの。
 当時は本職が別にあってね。狭いアパート暮らしで、作業台が外に置いてあって、仕事から帰って、外で作業してたな。工房がほしいって、ずっと願っとってね。必死にお金を貯めて、家を買って引っ越した。愛知県の半田というところにね。しかし人間は贅沢なもんでね、6年経ったらもっと広い工房がほしくなって。じゃあどうしたらいいんだろう、そうだ、田舎なら広い家が手に入る、田舎へ引っ越そう、と。

 たまたま小坂に来て、「あぁ、なんかここに住みたいな」と思って地元の人に聞いたら、空家を紹介してくれて、なおかつ仕事も、ポンポンポンと決まっちゃった。しばらく仕事をしながら、でも「やっぱりおれ、ステンドグラスの個展をやってみたい」と。20数年やってきて、自分がどの程度のものか試したいってのがあって。
 愛知県にいたときは洋風のランプとかを作っとったんやけど、こっちに来たら和風の家ばっかりやろ? 純和風の家に、こんな洋風のランプ作ってもだめや。それで作った「和風のステンドグラス」ちゅうのが、何かわからんけど注目を浴びて、新聞から雑誌からテレビから、マスコミが一斉に取材にやって来たの。ダメ押しは全国放送の「人生の楽園」っていう番組。それで北海道から九州まで、250くらいの注文が3~4か月の短期間に一気に入って。5~6年かかりました、すべて作り終わるのに。それでも、250のうちでキャンセルがあったのは、注文された方が亡くなってしまったとか、それくらい。ほとんどの人が待っててくれた。

 とにかく何でも思った時点で口に出して言ってみる。「おれはステンドグラスをやる、家を買う、田舎に引っ越す」って。あても何もないんだよ、なんにもないんやけど、絶えずそれを口に出して、自分で自分を追い込む。「おまえいつも言っとるやろ」って人に言われるくらい追い込んで、そうすると自分も動かざるを得なくなって。面白いもので、そうすると大概は願いが叶ってきた。運が良かったんやね。
 とにかく、口に出して行ってみることが実現の第一歩やからね。

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