


400年以上の歴史があると言われている湯屋温泉のお湯(炭酸泉)はね、炭酸の含有率が高くて、飲泉もできるし、胃腸に対する効能が高いって言われてる。だから、お越しになるお客さんも、胃に不調をかかえておられる方が多くて、そういう方は顔色が悪かったり、しかめ面をされているもんで、それがここで湯治したあとにはニコニコして帰っていただきたい、という思いを込めたのが「ニコニコ荘」の名の由来だと聞いてます。
湯屋のお湯はね、みなさん「すごくあったまる」って言われる。「湯ざめしにくい」って。あと、すごくしっとりするかな。
お客さんは、中高年の方が多いね。温泉入って、おいしいもの食べて、ゆっくりしたいっていう。有名な温泉地みたいにガチャガチャしてなくって。適度に鄙びてるというか、静かに過ごせる。部屋でゆっくり過ごされるお客さんが多いね。
料理にはけっこう気を配りますね。炭酸泉を使った湯豆腐やお粥もお出ししてます。とろ~りとしておいしいよ。
温泉地なんて全国どこにでもあるけれど、でも、その中で「やっぱり炭酸泉がいい」って来てくれるお客さんがいるわけでね。
湯屋はすごく歴史のある温泉地やしね、それを守りつつ、後世に残していく、つないでいけるといいんやけどね。いったんは進学や就職で小坂を出てったとしても、「またここに戻って来たい」と、そう思う子を育てるというか、小坂をそう思える場所にしていかないとあかんのやろうね。「小坂はこんなにいいとこなんや」ってことを、まずは地元の人間がちゃんと知って、それを外の人に伝えるってことね。
それによって、お客さんがワーッと来てほしいとかそんなんじゃないんだけど、今あるもの、伝統っていうとちょっと堅苦しくなるかもしれないけれど、今ここにあるものを大事にして、確実に残していきたい、次の世代の人たちに渡していきたい。まずはそこから。それで後の世代の人たちが、自分の故郷を誇りに思ってくれれば、そこから何か始まるんじゃないかな。
ニコニコ荘
>> http://niko2sou.com/