味の達人から聞く、小坂の魅力。
みんなで楽しみながら、笑いながら、地元の味を引き継いでいこうと思っとるの。

(1)地元の特産品づくりから始まったエプロン塾

 平成7(1995)年に岐阜県のイベント「花フェスタ」が行なわれたときに、県内の各市町村ごとに特産品を考案しようという試みがあったの。そこで小坂町でもメンバーが集まって、私たち年齢の高いグループと、若い人たち、それぞれに特産品を考えてみることになったわけ。
 その時に私たちは「お餅」で何かできんかなと思ってね。みんなの家にある餅米をいろいろ使ってね、梅干しの梅酢に漬けてみたり、酒粕を入れたりして、お餅をついてみたの。
 これが楽しくてね~。梅酢で漬けた餅米は、洗うとピンク色になってね。焼いてそのまま、味付けをしなくても食べられる。それが本当においしかったんやよ。だけど、みんなでいろいろ努力してね、何度も何度も、うちの梅漬けの梅酢がなくなるくらい試作したもん(笑)。
 一方で若い子たちは「トマト」を使ったジャムやゼリーを考えたんやけど、それで「花フェスタ」の会場で、お客さんに試食してもらったの。このときは販売はなし、試食だけ。
 結局は、近頃ではあんまりお餅も売れんし、採算が合わんってことで、商品化は断念したの。

 でもそれが、「エプロン塾」のはじまりになったの。
 その後、小坂町役場から「地元の食材を使った小坂の特産品を」という公募があってね、そこでもまたみんなでいろいろ作ってみたの。
 メンバーの加藤さんが椎茸の原木を栽培していたので、「原木椎茸の辛し和え」を作ったり。これも本当においしかったよ。「お弁当のおかずにいいね」って。
 本当にいろいろと作ったよ。みんながそれぞれ自宅で試作して、持ち寄って、みんなで試食し合って、「これならいけるんじゃない」とか言って。

 平成7年の8月にあった「大衆味おこしコンクール 飛騨地区大会」では、鉱泉粥に、小坂の特産品の川魚や椎茸や漬物なんかを添えて、柿の葉とか季節のものを使って雰囲気を出した「鉱泉粥御膳」が、優秀賞をとって表彰もされたんやよ。

  みんな、本当にいろいろと勉強したんやよ。みんな一生懸命やったの。楽しかったの。集まって、みんなで話し合いをしたり、作ったりすることがすごく楽しかったの。

(2)郷土の味、あぶらえの五平餅

 小坂に道の駅(南飛騨小坂 はなもも)ができて、「お昼ごはんに何か小坂のものを出したい」ということになって、その時にエプロン塾の名前で「郷土食の五平餅を作ってくれんか」と言われて、やってみたんやね。
 それが今では、「活動のほとんどが五平餅」という感じでやっとるけれども。「地元の味」をちゃんと引き継いでいかないかんと思って、私たちもやっています。

 地元の人は、10本単位で買われる方が多いね。「家族で集まる用事があるから」とか、「お客さんがあるから」とか。お盆とかも、みなさん15本、20本という感じで買っていかれる。
 これが名古屋とかだと、頼まれてイベントに店を出したことがあるんだけれども、みなさん1本ずつ買われていくお客さんばっかりで…えらかった(大変だった)だけ(笑)。
 こちらの方でやるイベントでは、お客さんがみなさん心得てみえて、会場に来られるとまず私たちのところにみえて、まとめて10本、20本と申し込まれて、その場で待たずに、あとで取りに来られる。なのでこちらも予約台帳を作っておいて、名前と本数と時間を書いて、焼いて渡したら順番に消していくの(笑)。

 五平餅は、炭で炙るのが私たちのこだわり。下呂市のナラ炭ね。炭を使うと味が違うよ。遠赤外線効果っていうので、じっくり焼けるのがいいんやろうね。
 素材は全部地元のもので。メンバーが作ったお米を使って、醤油も萩原の麹村のもの。濃くて田舎の醤油やな。たれに使う「あぶらえ」というのは、一般的に言う「エゴマ」。こっちでは「あぶらえ」って言うの。
 「あぶらえ」は休耕田で作れるから、私たちが「買うよ」って言えば、「それなら作るよ」って言ってくださる方もいるもんで。だから「あぶらえ」は、地元のお年寄りに作ってもらってるの。それを私たち、一番良い値で買い上げてるの。せっかくだから、良い値で買ってあげれば喜んでくださるもんで。

 今は1本150円で販売してます。ほとんど利益はなくて、8人いるメンバーはみんなボランティアみたいなもんだけれども、作ったり売ったりすることが楽しいっていう人間ばっかりだもんで続いとるな。
 毎週、金曜に集まって五平餅を握ってるんだけれども、メンバーの中には、お姑さんがおられたりして「面倒をみないといけないので出られない」と言いながらも、ちょっとだけでも顔を出して、世間話やいろんな話をする、そういうことがストレス解消になっとる。

 後継者がおらんというのは、ひとつ私たちの課題ではあるけれども、若い人に「私たちのところに入りなよ」とは言えんのや。若い子たちは、若い子たちで新たにやるのがね、いいと思うんや。「ふれあいの森」にある食堂喫茶「夢みどり館」なんかでも、若い子たちが「ママズカフェ」みたいなのをやれたらいいのになぁって。ママたちが子連れで集まって、いろんなことを話したり、ストレス解消できるような、ね。

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