自然の達人から聞く、小坂の魅力。
滝めぐりガイドの活動を通じて小坂を世界に誇れる場所に磨き上げたい。
小坂ならではのコト・モノ・ヒトを掛け合わせ「小坂スタイル」が生まれる

 僕が所属する「NPO法人飛騨小坂200滝」は、岐阜県が世界に向けて自慢できる観光の要素だとして「岐阜の宝もの」第一号に認定された「小坂の滝めぐり」を案内するガイド集団です。 滝めぐりコースの案内をメインに、「どんびき平の湿原」の修繕・回復事業、併用林道の維持管理や、それに小坂は地質学的にとても希少な土地ですから、「ジオパーク」としての認定を受けるための活動も行なっています。あとは、「小坂の滝めぐり」のガイドの育成や、県内外のイベントに参加し我々の取り組みを伝える啓蒙活動も行なっています。

 先日、地元の小学生たちに「小坂の滝」の話をする機会がありましたが、最初に「小坂200滝、知ってる人~」って聞くと、誰も手を挙げる子がいなくって…。それが今の実情なんだなぁと思いました。
 僕の場合は、中学生の頃、家にあった小坂の滝の写真集を見て、地図と照らし合わせながらマウンテンバイクに乗って赤沼田とかに行ってみたり。だけど2、3個かな、自力で見られたのって。みんな、それくらい険しいところにあるわけです。
 高校生になると部活が忙しくなるし、大学は名古屋の方に行きまして、その頃には山とか滝とか、まったく興味がなかったです。でも、たまに地元に友だちを連れて来ると、「水道水がうまい!」とか「水、むちゃくちゃきれいやん」って、みんなすごく感動するんですよね。僕らは当たり前に思っていることが、都会の人には全然普通じゃない。見たことないものばかりで、それが本当にきれいに映る。

 思うに、やっぱり一度、地元から外に出たほうがいいんです。「めちゃくちゃいいところなんだ」というのが身に染みてわかります。僕は都会の生活に見切りをつけて、こうして小坂に帰ってきました。そして、中学校の頃には行けなかった滝に、大人になって初めて自分の足で行くことができた。そこでもう、確信というか、取りつかれました、滝に。都会で生活してみると、ほんと人間関係が煩わしかったり、疲れちゃうんですよ。で、そういった心を、自然は本当に癒してくれるんです。
 僕は滝めぐりの仕事に就いて、この活動を続けていくことによって、地元の人にも滝のことをもっと知っていただき、もっと小坂を自慢していただけるようになればいいと思っています。それとやっぱり、将来的には自分の子どもたちが働く場所としての選択肢が小坂にもある、そういうレベルにまで引き上げるのが僕らの仕事だと思っています。

 小坂には、きれいなものがたくさんある。それにいろんな芸達者、達人が小坂にはいます。それらの要素をいろいろと掛け合わせて、コラボレーションすること。そこに「小坂スタイル」が生まれるわけですね。
 「小坂の滝めぐり」の良い面のひとつは、我々ガイドをするNPOのメンバーが、すべて地元の人間であるということ。お客様からも、「ガイドとのふれあいが楽しい」という声を良く聞きます。我々NPOのメンバーの“おもてなしの心”、温かみが、うまい具合にマッチしてるんだなって思います。だから、そのあたりをもっとうまく活かして、コアなリピーターに受ける“尖った”企画だけでなく、よりマイルドな、より多くの人に楽しんでいただける「小坂スタイル」を提供することで、一般的なファンの裾野を広げていくことが必要だと強く感じている。

 我々の今後の展望と言いますか、野望、と言いましょうか、それは「滝めぐりを中心として小坂をもっと盛り上げていきたい」、そして「飛騨といえばTAKAYAMAだけじゃない、“HIDA OSAKA”を世界に広めていきたい」と、そう思っています。
 そこは僕自身、ライフワークとして追及していきたいですね。

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