


いま力を入れている活動のひとつは、環境教育です。その一環として間伐体験をやったりとか。
僕は名古屋で育って、「自然」への興味って、どちらかと言えば“知識”から入ったんですよ。いろんなことを知識として知ってはいるけど、では実際に触ったことがあるか、匂いを嗅いだことがあるかというと、そうではないっていう…。
今は、田舎の子どもたちでもそんな感じのような気がしますね。頭だけで「自然とはこういうものだ」って囲ってしまって、分かった気になって終わってしまう。それではおかしい、それでは生きていけない。もう少し、「自分と自然との繋がりを実感できるようにしたい」っていうのはありますね。
特に、「地域の子どもたちと山に行く」っていうのは、ひとつには「自分の身近にある環境についてもっと知ってほしい」ってこともあるし、ふだんの日常の中で目にしている風景の、その奥にある深いストーリーを知ってもらうことで「地域に誇りを持ってほしい」ってこともあるんですよ。
実は、環境教育のねらいのひとつとして、「今の消費社会と自然との繋がり」の中で自分はどういう選択、行動をとるべきか、それが判断できる人間を育てる、そんな教育につながっていけばという思いもあるんですね。
将来、「同じ値段か、ちょっと高いくらいなら、地元のもの、身近なもの、自然に優しいものを買おう」といった選択、消費行動をとる、あえて「賢明な消費者」と言わせてもらいますが、そういう人間に育つには、子どものころから「自然や地域社会の中の自分」という意識を形成していってほしいという思いがあって、それこそが環境教育のひとつの大きな役割だと思うんです。
でも、そんなことを最初からストレートには言えないでしょ。だから僕たちとしては、とにかく山に入ること、カタいことを抜きにして、山を楽しんでくるとか、山で遊んでくるとか、そういうことをやっていきたいと思ってるんです。
「森のなりわい研究所」では、例えば「薪ストーブと組み合わせて間伐材を燃料として活用していく」方法論を提案していますが、これにしても大きな産業にしていきたいわけではなくて、薪を媒介にして、川下の人たちが山と繋がる、たとえば自分で使う薪は自分で取りに行くとか、そういうことでこっちに来てもらって、お金を落としたり、繋がりをつくったりと、薪を媒介にしたコミュニティーづくり、そんな仕組みが出来ないかなって思っていて。
どんな仕事に携わっていくにせよ、この地域のことはずっと見続けていきたいと思っているし、それは僕なりの責任でもあるとも思っている。ただ、あまり囚われすぎることなく、いろんなシチュエーションの中で、自分の持っている能力をどう当てはめていけるかということを考えながら、口を出していこうと思っています。基本的には「人と森との関係」。そこから発信するべきいろんなことが出てくると思っています。
取りあえずは活動の拠点を山之口(下呂市萩原町)に置いて定例化していこうと思っています。まずは自分が楽しむための企画に人をひきずりこむような感じでやっていく中で、集まってきてくれた人が主体的にまた別の何かを始めて、みたいな広がりが生まれてくるといいと思うんですよね。
一緒にやりません?
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